HIV―まずは検査から
流行を終わらせるためにも、あなたの不安を解決するためにも。まずは検査から。
毎年、新たに1,500人が感染
2015年、新たにHIVに感染した人の数が発表されました(厚生労働省エイズ動向委員会、速報値)。
1年間で1,413人。過去9番目に多い数字でした。2007年ころから、毎年1,500人くらいの人が新たに感染するという状況が続いており、減少する様子はありません。
世界的な目標「90-90-90」とは
エイズの流行を終わらせるために、世界的には「90-90-90」という3ステップの目標が立てられています。
これは、2020年までに
(1)HIV感染者の90%が感染していることを知り、 |
(2)そのうち90%の人が治療を続け、 |
(3)さらにそのうち90%の人のウイルス量を抑え込む、 |
という目標です。
この目標を達成すれば、世界のHIV感染者のおよそ7割でウイルス量が抑えられ、他の人に感染しにくくなります。その結果、新たな感染を大きく減らすことができるのです。
約8,000人が、まだ感染を知らない
「90-90-90」の目標に対して、日本の現状はどうなのでしょうか。
日本では、(1)の「感染が分かっている人」の割合が、現在約70%という報告があります。言いかえると、残りの約30%(8,000人ほど)の人が、本当は感染しているのに、それを知らないということです。
日本では、国の保険制度のおかげで、3割負担の金額で治療が受けられます。負担分の支払いが大変なときは、それを補う制度もあります。つまり、感染が分かれば、ウイルスを抑え込んで健康を回復できるという、制度的に恵まれた状況があるのです。
ではなぜ、検査を受ける人が増えないのでしょうか?
最初のステップは、検査です
自分はたぶん大丈夫(と思いたい)…
人に知られたくない…
もし陽性だったら、と思うと怖くて…
検査を受けられない理由はたくさんあると思います。しかし、検査を受ける方法が、実はいろいろあるのをご存じですか?
怖くて受けられないなら、病院や保健所では相談しながら検査できますし、保健所なら無料です。人に会わずに検査したいなら、郵送検査という方法もあります。
ぜひ、あなたにあった方法を見つけて、最初のステップを踏み出してみてください。