2018April

4月号

STD検査を受ける時に知っておきたい3つのキホンSTD検査を受ける時に知っておきたい3つのキホン

01そもそも、
なぜSTD(性病・性感染症)
になるの?

STD(性病・性感染症)って、
そもそもどんな病気かご存じですか?

キホンのキホンですが、STDは、性行為によって、感染している人から「うつる」病気です。風邪やインフルエンザも感染している人から「うつる」病気ですよね。このような病気のことを「感染症」といいます。
STDは感染症の一種で、性行為の際の接触でうつる病気です。
よって、自慰行為をしたから、不潔にしていたから、といってSTDにはなりません。STDは自然に発生するものではないのです。

つまり、性行為が無ければ感染の可能性はなく、検査の必要はありません。
「性行為があったかどうか」が検査を受けるかどうかのポイントになるということです。

ちなみに、性行為の際にしっかりとコンドームを使っていれば、STDがうつることはほとんどありません。
ただし、STDの種類によっては、コンドームがあまり効果を発揮しないものもあるので、要注意です。

02感染経路でわかる!
あなたの検査項目

STD(性病・性感染症)と
ひと口にいっても、
たくさんの種類があります。

クラミジア淋菌梅毒HIV感染症/エイズなど、日本性感染症学会の「性感染症 診断・治療ガイドライン 2020」1)においては、17種類が定義されています。
出典
1)日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン2020,

では、たくさんのSTDの中から、どの検査を受ければ良いのでしょうか。ここでポイントとなるのが、「どのような性行為を行ったか」です。STDは、セックスやオーラルセックス、アナルセックスなど、性行為の種類(=感染経路)によって、うつる可能性のあるSTDが違ってきます。では、それぞれの性行為別に、どのような検査を受けるべきか見ていきましょう。(※コンドームなどで予防できなかった場合を想定しています)

セックスでは、
あらゆるSTD感染のリスクあり

「セックス」というと、いろいろなとらえ方がありますが、ここでは「腟性交」のこととします。
腟性交は、ペニス(男性性器)をヴァギナ(女性性器)に挿入する行為です。

ほとんどのSTDの病原菌は、感染している人の「精液」や「腟分泌液」、「感染している箇所の粘膜」などに存在します。
セックスでは、これらが接触するため、感染のリスクがあるとうわけです。
具体的には、下記の接触が考えられます。

  • ペニスとヴァギナの粘膜同士の接触
  • 精液がヴァギナの粘膜や小さな傷口に接触
  • 腟分泌液がペニスの粘膜や尿道口に接触

こういった接触によって、クラミジア淋菌HIV梅毒などあらゆるSTDに感染する可能性があります。

また、梅毒性器ヘルペス尖圭コンジローマは感染している人の病変部(症状が出ている箇所)との接触でも感染します。
しかもこの病変部は、性器以外の箇所にもあらわれます。コンドームを使って上記の接触を防いでも感染する可能性があるため、注意が必要なSTDです。

アナルセックスは
リスクの高い性行為。
特に血液でうつるSTDに注意

アナルセックスとは、ペニスを肛門へ挿入する性行為のことで、「肛門性交」とも呼ばれます。
アナルセックスは、セックス以上に感染リスクの高い性行為です。と言うのは、直腸は腟よりも傷つきやすくデリケートだからです。
アナルセックスの刺激で直腸に傷ができると、そこからウイルスや菌が侵入しやすくなります。反対に、直腸から出血した血液にウイルスが含まれていると、それが相手の尿道や粘膜を通って感染するという経路も考えられます。

よって、アナルセックスでは、特に血液を介して感染するHIV梅毒といったSTDに要注意というわけです。

オーラルなら安全?
いいえ。感染リスクがあります

オーラルセックスは、性器を口や舌で愛撫する行為のことをいい、「口腔性交」とも言います。
実は、オーラルセックスでも感染の可能性があります。

クラミジア淋菌は、もともと性器の「粘膜」に感染しますが、のどにも「粘膜」があります。クラミジア淋菌にとっては、のども性器と同じように住みやすい環境なのです。
よって、感染した人の精液や腟分泌液などが、のどの粘膜にふれると、うつる可能性が出てきます。
実際に、性器に淋菌が感染している人の10~30%、クラミジアが感染している人の10~20%で、口の中からもこれらの菌が検出されたという報告があります2)

また、梅毒の病変部は口唇や口内に出る場合もあり、オーラルセックスによって性器にうつる可能性が出てきます。さらに、口唇ヘルペスは、オーラルセックスで相手の性器にうつります。特に症状が出ている時はうつりやすいので、注意が必要です3)

出典
2)厚生労働省. “オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A”. http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html, (accessed 2018-02-02).
3)World Health. Organization “Herpes simplex virus”. 2017-01.
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs400/en/, (accessed 2018-02-01).

03不安な行為はいつ?
検査できる時期をチェック

では、それぞれの検査はいつ受けることができるのでしょうか。検査項目によっては、感染の機会から検査できるようになるまで、少し日数がかかるものがあります。これはSTDチェッカーのような郵送検査だけでなく、病院や保健所でも同じです。

クラミジア・淋菌は
2~3日から検査OK

クラミジア淋菌などはウイルスや菌「そのもの」が存在するかどうか調べます。
検査物は「尿や腟分泌液など」です。ウイルスや菌そのものを調べますので、感染の可能性のあった日から2~3日経過していれば検査できます。

血液検査は2~3ヵ月あけて

HIV梅毒などは、感染した場合に体内にできる「抗体」を調べる検査です。検査物は「血液」です。
例えばHIVの場合は、感染して体内に抗体ができるまでに4~8週間かかると言われています。個人差があってはならないので、感染していないことを確認するには、感染の機会から3ヵ月経過してから検査を受ける必要があります。

「時期は特定しないが、今までの感染の可能性について調べたい」という場合は、クラミジアHIVを含む多種類の検査を一度にまとめて受けるのがおすすめです。

そして、「最近の不安な行為について調べたい」という方は、まずクラミジア淋菌の検査を受け、その後、一定の期間をあけてから血液検査項目のHIV梅毒B型肝炎などの検査を受けることをおすすめします。

04あなたにぴったりの
検査を選ぶには

STD(性病・性感染症)といっても、いろいろなものがあり、それぞれ「感染経路」も「検査できる時期」も違います。
自分にぴったりの検査を選ぶのは難しい、と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、ぜひ「あなたにぴったりのSTDチェッカーは?」を使ってみてください。
あなたの気になる行為や時期などから、ぴったりのSTDチェッカーを探すことができます。

あなたに“ぴったり”のSTDチェッカーは??

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