川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
HIV/エイズは、多くの病気と同じく、感染が早く分かればそれだけ治療も行いやすくなります。
しかし、現状では病気が進行した状態で見つかる方もたくさんいらっしゃいます。
今月の特集は、HIV感染症の治療法と、早期発見・早期治療のメリットについてご説明します。
先月11月の特集は こちら 【エイズの流行は終わっていません/何をしたらうつるの?/HIV・エイズ検査はどんな検査?】
まず、HIVに感染すると体にはどのような変化がおこるかご説明しましょう。
体の中でHIVはどんどん増えて、免疫のしくみを壊してしまいます。その結果、免疫力が低下して健康な人であれば何ともない菌やウイルスで 様々な病気がおこります。その病気が、「エイズ指標疾患」 とされる病気にあてはまると、「エイズを発症した」 と診断されます。
よって、HIVが増えないようにする治療が必要となります。
以前の治療は・・・
HIVが増えないように、薬を1日に複数回、数錠ずつ飲み続けなければいけませんでした。
よって、飲み忘れをしやすく薬が効きにくくなることがあったり、副作用が大きいことも問題でした。つまり、感染者に負担が大きく、続けることが難しい治療だったのです。
そのため、感染が分かっても、すぐに治療を始めるのではなく、免疫力があるラインを下回るまで治療の開始を遅らせることが一般的でした。
現在の治療は・・・
1日に1〜2回、1回で2〜4錠ですむ飲みやすい治療薬が開発されています。
これらの薬は、副作用も少なく、飲み続けやすいように進化しています。
新たな治療薬の登場によって、以前よりも 「感染後、早い段階で治療を始めること」 がすすめられるようになっています。
早く治療を始めることは、自分とパートナーの健康のために大切です。
【免疫力を高め、さまざまな病気を予防することができます】
早く治療を始めると、より早くから体の中のHIV量をおさえることができます。よって、免疫力(CD4陽性細胞数)の低下を防ぐことができ、エイズ発症を抑えることはもちろん、さまざまな病気に感染する可能性を減らすことができます。
逆に治療の開始が遅れると、免疫力は低下し、エイズの発症につながります。医療が進歩したといっても、回復に長い時間が必要となったり、後遺症が残ることもあります。
【パートナーへの感染を予防することができます】
より早くから体の中のHIV量をおさえることによって、パートナーへHIVをうつす可能性は低くなると考えられています。
感染を広げないためにも、早くに治療を始めることが大切といえます。
【病気の進行が早くなっている可能性】
以前は、HIVに感染してからエイズの発症までは、数年〜10年ほどでした。
しかし、近年はその期間が短いことがあり、2〜3年での発症も珍しくないといわれています。
以上のことから、HIV感染症は、より早く治療を始めるのが良い、と考えられるようになってきました。
検査を受けて、早期発見と不安の解消を
無防備な性行為をしたり、HIV感染を予防できなかったと感じた場合は、検査を受けることが必要です。
怖くて検査が受けられない・・・と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
HIV/エイズについて、もう少し知っておくと、検査を受けやすくなるかもしれません。
検査結果が陽性(+)であった場合は早期治療へつなげることができ、
(-)であった場合は、不安の解消や、改めてセーファーセックスについて考える機会となります。
検査を受ける・・・その手段のひとつとして郵送検査があります
HIV検査は、保健所や医療機関など、様々な機関で受けることができます。
しかし、「対面で検査を受けることに抵抗がある」「検査に行く時間がない」という方には、郵送検査をお勧めします。
昨年2013年に郵送検査でHIV検査を受けた方は7万3千人以上で、この10年で10倍以上となっており、早期発見のための有効なツールとなっています。
性病検査STDチェッカー タイプJ ご自分で検査物を採取していただき、検査は病院や保健所などと同じく、認可を受けた登録衛生検査所で行ないます。 検査結果はサイト上でログインしてご確認いただきます。 STD研究所では、お客様個々のケースに応じてご質問を承ったり、検査結果が陽性(+)でご希望の方には、個別に医療機関をご案内しています。 |
「AIDS IS NOT OVER 〜まだ終わっていない〜」 12月1日は世界エイズデーです。
この機会に、ご自身の大切な人と一緒に 「HIV/エイズ」 について考えてみませんか。
この病気をもっと身近に考えることは、ご自身と大切なパートナーの健康を守ります。
そして、病気の人も、そうではない人も、みんなが助け合って暮らすことができる社会が実現するはずです。