HIV感染症/エイズ

  • 第1章 HIV/エイズって何?
  • 第2章 どうしたらうつるの?
  • 第3章 うつったらどうなるの?
  • 第4章 検査について
  • 第5章 治療と生活について
  • 第6章 予防について

第1章HIV/エイズって何?まずはじめに。ご存知でしたか?

動画でわかる「HIV感染症/エイズ」 (このページの内容は、動画でもご覧いただけます)

第1章 HIV/エイズって何?

  • HIVとエイズについて(56秒)
  • 正しい知識の大切さ(33秒)

HIVとエイズについて〜 「HIV」と「エイズ」は違います

「HIV」 とは 「エイズウイルス」 のことで、正式には 「ヒト免疫不全ウイルス」 といいます。
ヒトに感染すると、免疫力を低下させてしまうウイルスです。

HIV = エイズウイルス ヒトの免疫力を低下させるウイルス

「HIV」 に感染し、治療をせずにいると、免疫力がだんだん弱くなり、数年〜10年で健康な人であれば何ともない菌やウイルスで 様々な病気がおこります。その病気が、「エイズ指標疾患」 とされる病気にあてはまると、「エイズを発症した」 と診断されます。 エイズ:後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)、Acquired Immune Deficiency Syndrome; AIDS

免疫力低下 健康な人であれば何ともない菌やウイルスでおこる病気 この病気が、エイズ発症のめやすとなる病気(23種)にあてはまると、エイズ発症と診断されます。

免疫力(めんえきりょく)とは?

体内に侵入した菌やウイルスなどから、自分自身の体を守る力のことをいいます。

正しい知識の大切さ

HIV/エイズについて、正しい知識を持っていないために、むやみに怖さばかりが先立っていませんか?

・どのようなことで感染するのか ・どうしたら予防できるのか ・治療法が進歩し、他の慢性疾患と同様、健康を回復したり維持することができるようになったこと

ぜひこれを機会に、HIV/エイズについて理解を深め、
他のSTD(性感染症)と同じく、「誰にでも関係のある病気」 であることを知ってください。

第2章どうしたらうつるの?HIVはどのようにして感染するのでしょうか

動画でわかる「HIV感染症/エイズ」 (このページの内容は、動画でもご覧いただけます)

第2章 どうしたらうつるの?

  • 感染のしくみ(16秒)
  • 性行為による感染(42秒)
  • 血液による感染(15秒)
  • 母子感染(28秒)
  • 日常生活について(1分23秒)

感染のしくみについて

HIV(エイズウイルス)を含む血液、精液(さきばしり液含む)、腟分泌液、母乳といった体液が、
相手の粘膜部分(主に口の中、ペニス、尿道、腟、直腸など)や傷口などに接触することで、
感染の可能性が出てきます。
また、汗、涙、唾液、尿、便などの体液の接触による感染の可能性はありません。

粘膜部分(主に口の中、ペニス、尿道、腟、直腸など)や傷口などに接触

皮膚(ひふ) と 粘膜(ねんまく) の違いって?

人間の皮膚は通常、身体を守るバリアや鎧(よろい)のような役割を果たしているので、健康な皮膚にHIV(エイズウイルス)を含む血液が多少付着した程度ではうつりません。しかし、大きな傷口や粘膜(男性の尿道口付近、女性の腟周辺、口の中、肛門や直腸の粘膜など)には、皮膚というバリアがないため、HIVが感染しやすくなるのです。
性行為の時のコンドームは、接触する粘膜部分にバリアをかけてあげるということなのです。

他のSTD感染も要注意!

なお、他のSTD(性感染症)に感染していると、粘膜に炎症を起こしたり傷ついていたりするため、HIVの感染率は数倍増加するといわれています。

感染経路

HIVの主な感染経路は、以下のように3つあります。
日本国内では、性行為による感染が最も多くなっています。

性行為による感染 血液による感染 母子感染

性行為による感染

性行為による感染

あらゆる性行為(セックス・アナルセックス・オーラルセックス)により
感染の可能性があります。
HIV(エイズウイルス)が粘膜や傷口から血液内に入って感染します。

<もう少し詳しく> HIVはどうしたら感染するの?(性行為編)

あらゆる性行為により感染するといっても、具体的に 「何をどうしたら」
感染の可能性があるのか、気になるところですね。
セックス・アナルセックス・オーラルセックス・・・あらゆる性行為ごとに
ご説明します。 →詳しくはこちら

血液による感染(特に麻薬など、注射器・針の使いまわしによる感染)

血液による感染

麻薬や覚せい剤の 「まわし打ち」 で感染する可能性は非常に高くなっています。
(まわし打ちでなくても、ドラッグを使用しての性行為は無防備なことが多く、非常に危険です。)

輸血による感染を防ぐため、HIV検査目的の献血は絶対にやめましょう!

献血された血液については、輸血される方の安全のために、さまざまなチェックを行います。
しかし、HIV感染初期の人が献血された場合は現在の技術水準でも完全にチェックすることはできず、すり抜けてしまう可能性がゼロではありません。また、献血者ご本人へはHIV感染は通知されません。
HIV検査目的の献血は、輸血される方の安全を第一に考え、絶対にやめましょう。
なお、手術時に自分の血液をあらかじめ採血して使う 「自己血輸血」 は、
感染の心配はありません。

母子感染

母子感染

まず妊娠したら、産婦人科で受ける 「妊婦検診」 で、HIV検査を受けることができます。
もし、母親が感染していることがわかっても、妊娠中から医師の治療を受けることにより、赤ちゃんに感染しないように対策をとることができます。

<もう少し詳しく>  母子感染を防ぐための妊婦検診、そして治療について

母子感染を防ぐための治療だけでなく、HIVに感染している男性が子供を持ちたい場合、人工授精などによる妊娠も可能になってきています。 →詳しくはこちら

日常生活における感染はあるのでしょうか?

HIVはヒトの体の中で生き続けることができるウイルスですが、体の外、つまり空気中や水の中などに出てしまうと、感染力をなくします。
また、HIVを多く含むのは血液、精液(さきばしり液含む)、腟分泌液、母乳といった体液であり、汗、涙、唾液、尿、便などの体液の接触による感染の可能性はありません。つまり、通常の社会生活の中で感染することは
ありません。

つり革 手すり お風呂 洗面台 便座・はね返りのしぶき コップの回し飲み 同じ蚊にさされる 感染しません
<もう少し詳しく> 日常生活で気になる事例

日常生活の中では、他人と同じものを共有していたり、知らないうちに人が使ったものを後から使っていることもあります。よくお問い合わせをいただく事例をご紹介いたします。 →詳しくはこちら

第3章うつったらどうなるの?HIVに感染したら、体の中ではどのような変化がおこっているのでしょうか

動画でわかる「HIV感染症/エイズ」 (このページの内容は、動画でもご覧いただけます)

第3章 うつったらどうなるの?

  • 体を守る免疫のしくみについて(37秒)
  • どのようにヒトの体に感染?(45秒)
  • HIVに感染した後の経過(1分24秒)

まずは、体を守る免疫のしくみについて

ヒトの体には、病原体を排除するための、免疫(めんえき)というしくみがあります。

血液の中の白血球の仲間たちがこのしくみを支えており、
その中でも 「CD4陽性細胞」 というものが司令官の役割を果たします。
病原体が侵入しても、司令官は仲間たちに様々な指令を出して排除していきます。

CD4 陽性細胞 体を守る免疫のしくみの中で「司令官」の役割

では、HIVはヒトの体にどのように感染するのでしょうか

血液、精液(さきばしり液含む)、腟分泌液などに含まれているHIV(エイズウイルス)は、傷口や粘膜から血管の中へ入っていき、 血管の中に入ったHIVは、大切な免疫の司令官であるCD4陽性細胞にくっついてしまいます。

HIVは傷口や粘膜から血管の中へ入っていき、CD4陽性細胞にくっついてしまいます

くっついたHIVは、CD4陽性細胞の中を利用し、増殖していきます。
そして、もとのCD4陽性細胞は壊れてしまい、新しくできたHIVは次のCD4陽性細胞にどんどん感染していきます。

もとのCD4陽性細胞が壊れ、増殖したHIVは新たなCD4陽性細胞に感染していきます。

HIVに感染した後、どのような経過をたどるのでしょうか

ここでは、HIV(エイズウイルス)に感染し、治療をしなかった場合について説明します。

HIV(エイズウイルス)に感染し、治療をしなかった場合について説明 感染して2〜4週で発熱・のどの痛み・だるさ・筋肉痛といったインフルエンザのような症状が出る場合があります。症状は数週間でなくなり、 症状が無い期間が数年〜10年ほど続きます。 ただし、期間には個人差があり、 1〜2年以内にエイズを発症する場合や、 長期間発症しない場合があります。免疫力が更に低下してくると、 しつこい下痢やひどい寝汗、 理由のない急激な体重減少など がおきます。 日和見(ひよりみ)感染症や 悪性腫瘍、神経障害など、 様々な病気を引き起こします。これらの病気が、 エイズ指標疾患(23種)に あてはまると、エイズ (後天性免疫不全症候群) 発症と診断されます。 エイズ指標疾患23種 上記の流れは、HIV感染に気づかず治療を行なわなかった場合の流れです。 治療法は進歩しており、エイズ発症を抑えることができるようになっています。 HIV感染していても、検査を受けて早期発見することができれば、 その分適切な治療につなげることができます。

<よくあるご質問> 症状があるのですが、HIV感染しているのでしょうか?

HIV感染の可能性を考えたときには一番気になる点だと思われますが、初期症状としてあげられるものは、他の病気の時にも多く出る症状のため、症状からHIV感染を判断することはできません。感染の可能性のある行為があって不安な場合は、HIV検査を受けることがとても大切なのです。

第4章検査についてHIV検査はどのように行なうのでしょうか

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第4章 検査について

  • HIV抗体検査とは(44秒)
  • HIV抗体検査を受ける時期について(32秒)
  • 2段階の検査(1分26秒)
  • HIV抗体検査はどこで受けることができるのでしょうか(1分23秒)

HIV抗体スクリーニング検査とは

HIVに感染しているかどうかを調べたい時は、血液を採取しHIV抗体スクリーニング検査を行ないます。
抗体とは、菌やウイルスが体内に侵入すると、それに反応して作られる物質です。

HIVの抗体がある場合は、感染している[陽性] HIVの抗体がない場合は、感染していない[陰性] このように、抗体の有無で、HIV感染を調べます。

HIV抗体スクリーニング検査を受ける時期について

ご存知でしょうか?
HIV抗体スクリーニング検査は、感染の可能性があった日からすぐにできる検査ではありません。
なぜなら、HIV抗体が体内にできて検出されるようになるまでに、少し日数がかかるからです。
この検査をしても反応が出ない時期をウィンドウ・ピリオドといいます。

HIVに感染すると、通常4週間後くらいから血液中でHIV抗体が検出されるようになりますが、
個人差もあり4〜8週間くらいかかる人もいます。上記の内容から、確実に「陰性(−)感染していないこと」を
確認したい場合は、もう少し余裕をみて3ヵ月以上経過してから検査を受けること
が、国のガイドライン上で示されています。

では、3ヵ月たってからの検査でないと意味がありませんか?

そのようなことはありません。
感染している場合は4週間後くらいから 「陽性(+)」 と出る可能性があるので、感染の機会から3ヵ月以内であっても検査を受ける意味はあります。ただし、確実に陰性(−)を確認したい場合は、3ヵ月以上経過してから改めてHIV抗体スクリーニング検査を受けてください。

不安が強くて3ヵ月は待てない、という方は、以下の表を参考にしていただき、検査を受ける時期について検討してみてください。

HIV抗体スクリーニング検査を受ける時期

2段階の検査〜 スクリーニング検査と確認検査

HIVに感染していることを確定させるまでには、2段階の検査を行ないます。
それぞれの検査の特徴を活かし、確実な検査結果を出す仕組みになっています。

[1段階目の検査]スクリーニング検査…感染している人を逃さない!感度の高い検査 [2段階目の検査]確認検査…本当にHIVによる反応か確認する検査

1段階目のスクリーニング検査は「陽性(+)の人を逃してはならない」(つまり偽陰性を出さない)という目的を持った検査のため、非常に感度が高くなっており、陽性の可能性がある方までを「陽性(+)/要確認検査」と判定します。

よって、感染の機会から3ヵ月経過後のスクリーニング検査で「陰性(−)」となった人は、感染していないことが確定となります。

スクリーニング検査で「陽性(+)/要確認検査」となった人は、違う検査法を用いた2段階目の確認検査を行い、本当にHIVによる反応であるかどうか確認します。この確認検査でなお「陽性(+)」が出れば感染していることが確定となります。

確認検査でHIVに感染していることがわかったら…

医療機関にて専門医の診療を必ず受けてください。HIVを体内から完全に排除することはできませんが、治療によって他の慢性疾患と同様、健康を回復したり維持したりすることができるようになっています。
(詳しくは 第5章 治療と生活について で説明)
まずは、現在の健康状態の把握を行い、今後の健康管理と治療の相談を行なうことが大切です。

確認検査

HIV検査が受けられるところ

HIV検査は、様々な形で受けることができます。
それぞれの特長がありますので、ご自身に合った方法を選択してください。

保健所など

保健所など

保健所などでは、無料・匿名でHIV検査を受けることができます。
各自治体が主となり、特設の検査場が開設されている場合もあります。
曜日や時間を決めて行なわれていたり、予約が必要なこともあるため、
事前に確認を行なってください。

検査の種類 料金 検査実施日
行っている検査の種類は、各保健所により
異なります。
  • ・通常検査(結果は約1週間後)
  • ・即日検査(結果は約30分〜数時間後)
無料 各保健所により
異なります

医療機関

医療機関

婦人科・泌尿器科・性病科などの病院・クリニックや、エイズ治療拠点病院などでHIV検査を受けることができます。ただし、どの医療機関でもHIV検査が実施されているということではありませんので、事前に確認を行なってください。

検査の種類 料金 検査実施日
行っている検査の種類は、各医療機関により異なります。
  • ・通常検査(結果は約1週間後)
  • ・即日検査(結果は約30分〜数時間後)
約3,000円〜
7,000円
診療時間内

郵送検査キット

郵送検査キット

保健所や医療機関へ行く時間がない人や、人と対面して受ける検査は抵抗がある・・・という人は、自宅から検査物を送る、という方法でHIV検査を受けることもできます。検査は、保健所や医療機関などと同じく、登録衛生検査所で実施します。匿名で受けることができ、結果はインターネットで確認します。

検査の種類 料金 検査実施日
  • ・通常検査
    (結果は検査物到着後、1〜5日後)
STDチェッカー
(タイプJ)
4,968円 (税込)
いつでも可能です

HIV検査をうけることについて

「○○という行為をしましたが、感染の可能性はどれ位の確率ですか?」
「不安で仕方ないのですが、感染がわかるのが怖くて検査が受けられません・・・」

検査を受けて感染していなかった人は、不安がなくなり、今後のセーファーセックスなど、予防を考える良い機会になると思います。
もし、感染していることがわかった人も、現在の治療法は進歩しています。
早くわかればその分効果的に、専門病院における体調管理や治療を受けることができます。
ほんの少し、勇気を出して検査を受けてみませんか。

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6月第1週はHIV検査普及週間です。今、HIV検査を受けてみませんか。

検査はとても大切です ー自分の健康、そして愛するパートナーのためー

プライバシー重視、匿名でできる検査キット。STDチェッカー

STD(性感染症)は特別な病気ではありません。
誰でもなる可能性がある病気です。

病院へ行く時間の無い方や、
人と対面して検査を受けるのに抵抗がある方などは、
「郵送検査」という検査の受け方もあります。

自分で検査物を採取し、送っていただきます。
プライバシーを重視した匿名検査システムを採用。
検査は登録衛生検査所で実施し、
結果はインターネット上でご確認いただきます。

自分の健康、そして愛するパートナーのため。
検査を受けてみませんか。

自分でとって送るだけ 30秒でわかるSTDチェッカー
30秒でわかるSTDチェッカー

STDチェッカーで検査を受けられた方のご感想です

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※プライバシーに関わる内容は掲載しておりません ※直近の3ヵ月分を掲載しております

(全投稿数:6016件 最新更新日:2016年9月29日)

第5章治療と生活について感染がわかった後はどのような生活になるの?

動画でわかる「HIV感染症/エイズ」 (このページの内容は、動画でもご覧いただけます)

第5章 治療と生活について

  • HIV感染症の治療(44秒)
  • 具体的な治療の流れ(2分18秒)
  • 生活はどうなるの?(2分12秒)

治療法は進歩しています

現在の医療では、体内からHIV(エイズウイルス)を完全に排除することはできません。
しかし、治療法はとても進歩しており、HIVに感染してもエイズ発症を抑えることができ、健康を回復したり維持することができるようになっています。
1990年代頃までは、死に直結する病気ととらえられていましたが、状況はずいぶん変化しています。

しっかり治療に向き合うことが大切!

日本国内におけるHIV感染症/エイズの治療は、全国各地382施設の「エイズ治療拠点病院」等で行なわれます。
(2015年11月現在)
国立国際医療センター(エイズ治療・研究開発センター(ACC))
を頂点とし、
国内を8つのブロックに分け、ブロック拠点病院各県の中核拠点病院拠点病院というピラミッド状の体制が
組まれています。

具体的な治療の内容について

HIV感染症の治療は、HIV(エイズウイルス)の増殖をおさえる、「抗HIV療法」が主なものとなります。

抗HIV療法では、HIVの増殖を抑える「抗HIV薬」を服用します。
抗HIV薬の服用を始めることにより、HIVの増殖をおさえてウイルス量を減らしていきます。
ウイルス量が減ってくると、CD4陽性細胞数も増え、体の免疫力が回復します。

抗HIV療法で、体の免疫力が回復します

抗HIV療法では、効き方の異なる複数の抗HIV薬を1日に1〜2回、服用します。
医療の進歩により、1日1回1錠の服用ですむ薬も開発されています。
ただし、薬は決められた時間に正しく飲む必要があります。
薬の飲み忘れが続くと、HIVはその薬が効かない耐性ウイルスとなり、治療が困難になることがあるので
注意が必要です。

抗HIV療法(ART)

抗HIV療法は、感染が分かればなるべく早く始めた方が良いといわれています。
早く始めた方が健康を維持しやすく、体内のウイルス量が減ることで、他の人へ感染させるリスクも低くなります。

このように、HIV感染症の治療はなるべく早くから継続して行なうことが大切ですが、長い期間治療を続けていくうちに、薬の副作用や生活環境の変化など、様々な問題に出会います。医師に任せきりではなく、自分の生活パターンなどを考慮し、自分自身が積極的に治療方針の決定に関わることも大切です。

暮らし方は自分の体の状態に応じて決めていきましょう

生活はどうなるの?

HIVに感染したことがわかっても、今までの生活を急に変える必要はありません。

暮らし方は自分の体の状態に応じて決めていきましょう

なお、HIVに感染しても、名前や住所など個人を特定できる情報が国などに報告されることはありません。
(感染症に関する法律に基づき、医療機関から 年齢・性別・都道府県・推定される感染原因など が報告されます)
直接的に個人情報を扱うことになる ・医療従事者 ・助成制度利用の際の自治体職員 ・健康保険事務を取り扱う職員 などは 各種法律により守秘義務があり、プライバシーは厳重に保護されます。

経済的な面も気になりますが、HIV感染症の治療が始まると、様々な助成制度を利用することによって、
医療費の自己負担額を減らすことができます。

第6章予防について感染を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?

動画でわかる「HIV感染症/エイズ」 (このページの内容は、動画でもご覧いただけます)

第6章 予防について

  • HIVの感染を防ぐには 性行為編(20秒)
  • HIVの感染を防ぐには 血液編(22秒)
  • HIVの感染を防ぐには 母子感染編(36秒)
  • HIVに感染している人も予防が大切です(51秒)
  • 世界の状況(52秒)
  • 日本の状況(40秒)

それぞれの感染経路に対する予防

第2章でも触れましたが、HIVの主な感染経路は、以下のように3つあります。
日本における感染経路は、ほとんどが性行為によるものとなります。

性行為による感染 血液による感染 母子感染

性行為による感染を予防するためには

あらゆる性行為(セックス・アナルセックス・オーラルセックス)により感染の可能性がありますが、
コンドームを行為の最初から最後まで正しく使うことにより、セーファーセックス(安全なセックス)が
可能になります。
これは、HIVに限ったことではなく、他のSTD(性感染症)にも共通の予防法となります。
(参考:コンドームの正しい使い方

コンドームを正しく使う事で 性行為のパートナーがHIVに感染している人、していない人に関わらず、セーファーセックスを行なうことができます。

血液による感染(特に麻薬など、注射器・針の使いまわしによる感染)を予防するためには

血液による感染

麻薬や覚せい剤の 「まわし打ち」 で感染する可能性は非常に高くなっています。
注射器具の共用は決して行なってはいけません。

ちなみに、まわし打ちでなくても、ドラッグを使用した上での性行為は
セーファーセックスの意識が無くなりコンドームを使用しないことが多いため、
非常に危険です。

医療機関の注射器具は?

HIVだけでなく、他の様々な感染症を防ぐためにも、
医療機関の注射器具は全て使い捨てのものが使われており、安心です。

「使い捨て」です

母子感染を予防するためには

母子感染

まず妊娠したら、産婦人科で受ける 「妊婦検診」 で、HIV検査を受けることができます。
もし、母親が感染していることがわかっても、
医師の指示のもとに・予防治療薬の服薬・帝王切開による出産を行い、
母乳を避けて人工授乳を行なうことにより、赤ちゃんに感染しないように対策をとることができます。
これらの対策により、母子感染の確率は1%以下になってきています。

HIVに感染している人も予防が必要です

HIVに感染している人も、自分の健康を守り、治療の効果をあげるために予防が必要です。
また、免疫力が低下しているため、他の感染症にもうつりやすく、出てくる症状も重くなることがあります。

別タイプHIV 感染 薬が効きにくくなる

つまり、感染している人も、感染していない人も、全ての人にセーファーセックスは大切なことなのです。

コンドームの使用予防が大切。

世界の状況

今、世界では、治療薬普及の取り組みが行われています。
治療薬でウイルス量を抑え、感染力を弱めることによって、新たな感染が減ったといわれています。
2014年の世界における新規HIV感染者は200万人で、2000年の310万人と比べると、35%減少しました。
また、治療によってエイズで亡くなる人も減少したため、HIVに感染している人は、3,690万人(推計)と増えています。

日本が含まれるアジア太平洋地域は、サハラ以南アフリカに次いで、HIVに感染している人が多い地域であり、
中でも、インド・インドネシア・中国に新規感染者が集中しています。

HIV感染者(成人・子供)推計総数(2014年末現在)合計3690万人

日本の状況

世界的な新規感染者の減少に対し、日本は横ばい傾向が続いており、1日に約4人が新たにHIVに感染しています。
また、エイズを発症してからHIV感染がわかる人(下表:新規エイズ患者)の数も多くなっています。
現在、日本国内でHIV・エイズと共に生きている人々は、約24,500人ほどとなっています。

日本の状況

最後に〜 HIV/エイズについて 正しい知識と理解

HIV感染症/エイズは、性行為の経験がある方であれば、誰もが感染する可能性がある病気です。

STD研究所は、「HIV感染症/エイズ」について、皆さんに少しでも理解を深めていただくことで、ご自身と愛する人の健康を守り、
そして陽性者の方々と共に助け合いながら暮らすことができる社会の実現を願っています。

みなさんの周りには、様々な病気を持たれながら生活をされている方もたくさんおられるのではないでしょうか。
今一度、ご自身の大切な人と一緒に、 HIV感染症/エイズについて考える機会を持っていただければ嬉しく
思います。

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