A型肝炎の解説 症状や感染経路・検査や治療について

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A型肝炎って、どんな病気?

ウイルス感染が原因の肝炎
A型肝炎は、「A型肝炎ウイルス(HAV)」の感染が原因で起こる肝炎のことです。アルコールの飲み過ぎなどが原因の肝炎とは違います。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて働きが悪くなります。
口から感染するウイルス
A型肝炎ウイルスの感染力はきわめて強く、生の魚介類(特にカキ)や衛生状態の悪い土地の生水からの感染もあります。性行為では、リミング(肛門をなめること)に要注意です。
急性肝炎では症状が強い
治療薬はなく、基本的な治療法は安静で、一般的には、2〜3ヵ月で自然に治ります。慢性化はありません。
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どうしてうつるの?
(A型肝炎の感染経路)

A型肝炎は

  • A型肝炎ウイルスは、感染した人の便に排出されます。
  • オーラルセックスやリミング(肛門をなめること)などにより、口から感染します。
A型肝炎の感染経路図
A型肝炎の感染経路図

こんなリスクもあります

  • A型肝炎ウイルスに汚染された飲食物を口にすることで感染します。
  • 日本では、魚介類の生食、特にカキ(牡蠣)による感染が多くあります。
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A型肝炎の症状って?

男性、女性、ともに同じような症状が出ます。症状が出るまで1ヵ月程度かかります。
ただし、症状がない時でも、便にウイルスが出ている可能性があるので、注意が必要です。

症状(男女共通)

主な症状

  • だるさ(倦怠感)
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 濃い色の尿が出る
  • 黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)など

2〜3ヵ月で症状が治まる

一般的に、2〜3ヵ月で自然に治り、慢性化することはありません。
ただし、まれに劇症化(肝臓の炎症が非常に強くなり、肝細胞のほとんどが死んでしまう)することがあり、死に至る場合があります。

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A型肝炎を解決する

病院へ行く

STD研究所からのお知らせ

明らかな自覚症状がある場合は、
医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。

受診科

男性・女性 内科(消化器科)

治療費用は?

診察料 3,000円〜5,000円
検査代 3,500円〜
薬代 別途かかります

上記は、保険適応でない場合のおおよその金額です。保険適用の場合は、上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。

このウイルスは感染力が非常に強いので、感染した場合はパートナーの検査も必要です。

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A型肝炎の検査・診断・治療の流れ

検査について

検査器具

臨床診断と血液検査を行います。

検査のタイミング

症状が出てからの検査になります。

治療について

薬

安静にして経過観察が基本
検査数値が異常に高い場合、また黄疸などの症状がある場合は、入院して経過を観察します。
治療薬はなく、安静にして経過を観察することが必要です。

治療の流れ

感染していると診断された
入院して経過を観察
治療薬はなく、治療法は安静にすることです。症状により入院する場合もあります。(一般的に1ヵ月以上)※2〜3ヵ月で自然治癒することもあります。
肝機能の正常化

肝機能の正常化を確認して治療は終了しますが、その後2〜3ヵ月は便の中にウイルスが排出されている可能性があり、注意が必要です。一度抗体ができれば、再感染の可能性はありません。

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A型肝炎の予防について

予防について

コンドーム

便中に排出されたウイルスが口から感染します。
肛門との直接の接触がないように、コンドームを工夫して使用すれば効果があると思われます。

ワクチンの接種

ワクチン

手洗いの実行などの一般的予防法や、A型肝炎にかかったことのない人の場合は、ワクチンを用いた積極的な予防法があります。

(参考) 感染予防のためのワクチン接種費用は、1回につき5,000円〜10,000円で、期間をあけて3回接種する必要があります。保険適用ではありません。