川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
HIV/エイズに対して、「自分だけは大丈夫!」という気持ちをもっていませんか?
メディアで取り上げられることは少なくなりましたが、国内の感染者・患者数は減ってはいません。
それどころか、間違った知識や思い込みが、感染の拡大や、陽性者の方々への偏見につながっている現状があります。
6月1日〜7日は「HIV検査普及週間」 です。この機会に改めてHIV/エイズの問題について考えてみませんか?
HIV感染者/エイズ患者の方がどれだけいるかご存知ですか?
下のグラフは厚生労働省より発表されている、国内で新たにHIVに感染した人、エイズであると診断された人数の推移です。
【参考】 HIVとエイズの違い
「HIV」 に感染し、治療をせずにいると、免疫力がだんだん弱くなり、数年〜10年で健康な人であれば何ともない菌やウイルスで 様々な病気がおこります。その病気が、「エイズ指標疾患」 とされる病気にあてはまると、「エイズを発症した」 と診断されます。
エイズ:後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)、Acquired Immune Deficiency Syndrome; AIDS
昨年、HIVに感染していることが分かった人と、新たにエイズであると診断された人の数は、合わせて1,449人です。
近年は1,500人前後となっており、増えてもいませんが減ってもいない、という状況です。この内、約30%もの人は診断時にすでにエイズを発症している、いわゆる「いきなりエイズ」の状態でした。
世界の他の国と比べて少ないとはいうものの、これまでに報告された国内の感染者・患者数は累計2万人を超え、多くの人が病気とともに生きています。
しかし、HIV/エイズに関する報道は、一時期と比べて減ったと思いませんか?
昨年、保健所などで検査を受けた方の数は約13万件と例年並みでしたが、相談数は大幅に減少していると報告されています。なぜ、HIVへの関心は薄れているのでしょうか?
「自分には関係ない病気だから」 「医療が進歩して、感染しても死ななくなったから大丈夫」、
あるいは 「感染がわかると怖いから、HIVのことは考えない」 ・・・こんな思いをもっているとしたら、それは間違いです。
【HIVは特別な病気ではありません】
感染の経路はクラミジアなど他のSTD(性感染症)とほぼ同じであり、性行為をしたことがある人なら誰でも感染する可能性がある病気です。
まだ偏見をもっている方も多いようですが、男性or女性、異性愛者or同性愛者、住んでいるのが都会or田舎、などは全く関係がないのです。
【医療は進歩しています。まだ問題もありますが、相談できる所もあります。】
医療は進歩しています。
HIVに感染しても、治療でコントロールしながら生きていける病気となり、死に至ることはなくなってきました。
1日1〜2回、抗HIV薬を飲み続けることで、エイズの発症を防ぐことができます。
ただし、毎日決まった時間に忘れずに服薬することが必要です。お薬によっては、副作用が出る場合もあり、体調管理のために定期的な通院も必要です。
HIV感染の治療費は(治療の内容にもよりますが)、一般的に健康保険を利用した場合で、自己負担額6万円/月ほどとなります。しかし、一定金額を超えた医療費が払い戻される高額療養費制度や身体障害者手帳などの助成制度があります。
治療や経済的なことの他にも、仕事やパートナーとの関係などで悩んだときには、陽性者支援のNPO団体などで相談することができます。
みなさんの周りには、さまざまな病気をかかえながら生活している方が、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
前段落のグラフでも分かるように、HIV感染に気付かないまま、エイズを発症してしまう方がまだ多くいらっしゃいます。
症状によっては、数ヵ月の入院が必要になったり、治すことができても後遺症が残るような場合もあります。
HIV/エイズも多くの病気と同じで、感染が早く分かれば、それだけ治療も行いやすくなります。
つまり、早期発見・早期治療のために、検査を受けることがとても大切なのです。
無防備な性行為など、感染の可能性があった場合は、早期発見のための検査が必要です。
HIVに感染しているかどうかを知ることができるのは、検査だけです。
全国の保健所などでは、対面や電話で相談することもできます。
また、「対面で検査を受けることに抵抗がある」「検査に行く時間がない」という方には、郵送検査をお勧めします。
昨年、2012年に郵送検査でHIV検査を受けた方は65,228件で、この10年で10倍以上となっており、早期発見・早期治療のために有効です。STDチェッカーはプライバシー重視の匿名検査となっています。
この機会に、ご自身の大切な人と一緒にHIV/エイズについて考えてみてください。
正しい知識をもち、予防やこの病気に関することをもっと身近に考えることは、ご自身と大切なパートナーの健康を守ります。
そしてさらに、陽性者の方々と共に助け合いながら暮らすことのできる社会の実現にもつながるはずです。
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