トピックス

ニュース

院内感染対策HIV検査 患者負担「不適切」

院内感染対策HIV検査 患者負担「不適切」

聖隷横浜病院 厚労省が指摘

 横浜市保土ヶ谷区の「聖隷横浜病院」(岩崎滋樹院長、300床)が、全入院患者らを対象に行っているエイズウイルス(HIV)抗体検査の費用を患者に負担させているのは不適切だとして、今年2月、厚生労働省が改善を求めていたことが10日、わかった。同病院では指摘を認め、対象の患者約5000人に検査費を返金する。

 同病院によると、院内感染防止のため、患者負担による手術前や入院時のHIV抗体検査を、2006年8月から始めた。保険が適用されないため、患者側に検査の目的を説明し、費用負担も含めて同意を得て実施していたという。
 厚労省の関東信越厚生局神奈川事務所が、全病院を対象に1〜3年に1回の割合で実施している適時調査で今年1月、同病院に立ち入った際、患者負担による抗体検査が多いことが発覚。今年2月に「検査は病院関係者のためのものであり、患者から費用を徴収することは認められない」と、文書で改善を促した。

 指摘を受けた同病院では、1回約1300円の検査料の返還方法を検討中で、「6月末までに院内とホームページ上で返還方法などを発表する」としている。
 同病院の一連の検査では、世界でも感染例が少ないHIV2型の初の日本人感染者を発見するなど、数例のHIV感染者を確認している。同病院総合企画室は「検査は医療従事者だけでなく患者への院内感染対策としても必要。これからも続けていく」としており、4月からは病院負担で検査を継続している。

(2010年6月11日 読売新聞掲載)

ホームへ戻る