ニュース
中国、HIV感染者らの入国禁止を撤廃 上海万博を前に
27日付の新華社電によると、中国政府は同日までに、HIV(エイズウイルス)に感染している外国人の入国禁止を撤廃した。5月1日に開幕する上海万博に配慮した措置とみられる。
中国は20年前から、HIV感染者のほか、性感染症やハンセン病の患者の入国を禁止していたが、国務院がこれらすべての制限を撤廃する決定を下した。感染拡大を防止する効果がほとんどないうえ、万博のような国際行事を開催する際に問題になるためとしている。
上海万博では、6カ月間に7000万人の来場が見込まれている。政府は過去にも、2008年の北京五輪など大規模な行事の開催に合わせ、一時的に禁止を解除していた。
新華社が保健当局の推計として伝えたところによると、中国では2009年10月の時点で、HIV感染者が74万人に達していた。エイズによる死者は1985年に初めて報告されて以降、4万9845人に上っているという。
米エイズ研究団体amfARによると、HIV感染者の入国を禁止する法律は世界7カ国が制定していたが、このうち米国は今年1月、入国禁止対象のリストからHIV感染者を削除した。
(2010年4月28日 CNN)