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中国、HIV感染者の入国拒否 豪の抗議受け、規定見直しへ

 エイズウイルス(HIV)に感染したオーストラリアの著名作家が中国入国を拒否されたことをきっかけに、豪州で「エイズへの偏見だ」とする中国政府への抗議が拡散。中国政府は12日、感染者を入国禁止とする条項を削除する方向で検討に入ったことを明らかにした。

 関係者の話や報道によると、作家はロバート・デセイさん(66)。12日の上海での国際文学祭に参加するために豪州で中国のビザを申請したが、認められなかった。中国はHIV感染者の入国を原則として認めていないが、デセイさんは、ビザ申請書に自身がHIV感染者だと明記していた。
 デセイさんは「つばを吐きかけられたような気持ちだ」と豪地元紙に不満を表明。90人以上の豪州の作家が「無知に基づく差別だ。文明的と見られたい国のすることではない」などとする中国政府への抗議文に署名し、非難の声をあげた。

 中国衛生省の担当幹部は12日、「我々のエイズへの理解が不足していた。このような措置は必要がない。入国禁止条項の削除を検討している」と新華社通信に言明。「遠くない将来」に条項は削除される見通しだという。
(2010年3月14日  朝日新聞掲載)

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