川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
梅毒は、昭和の初めごろまでは不治の病として恐れられていたSTDです。
治療薬ペニシリンが発見され、現在では完治する病気となったため、もう 「昔の病気」 だと思っている方も多いのではないでしょうか?
梅毒に感染してそのままにしていると、「キスでもうつる」 「感染しているとHIVにかかりやすくなる」 「妊娠中の女性にかかると流産や死産になる」 可能性があります。 不安になってきた・・・そんな方はぜひ今月の特集をご覧になってください。
国立感染症研究所によると、ここ数年、梅毒の患者報告数は増えており、ニュースでも取り上げられるほどになっています。
昨年2013年の患者数は1,226人で、現在の調査方法になった1999年以降で最多となりました。
今年に入っても昨年を上回るペースで患者数が増えていることが報告されています。
特に20代〜40代の増加が目立っており、患者数1,226人の内、80%以上が男性であると報告されています。
昔は、いわゆる風俗街を中心に流行していた梅毒ですが、現在は、男性同士の性的接触による感染が多くなっているようです。この「男性の患者が多く、同性の性的接触により感染する」 という点はHIVと似ていると思いませんか?実際、HIV感染が分かった人は、同時に梅毒にも感染していることが多いと言われています。
しかし、「女性だから安全」 「異性としか性行為をしないから関係ない」 と考えるのは間違いです。
梅毒は、誰もが感染する可能性のある病気だからです。
次は、みなさんが気になる感染のしくみについてご説明します。
やっぱり気になる、「どんな行為でうつるの?」
梅毒の原因はトレポネーマという病原菌で、梅毒に感染している人の血液には、このトレポネーマが含まれています。
「皮ふや、粘膜の小さな傷」に触れるとそこからパートナーの血液中に入って全身に広がります。具体的には、セックスやアナルセックス、オーラルセックスなどあらゆる性行為、そして皮膚の発疹などの病変部と触れるだけでも感染します。
口に病変部がある場合は、キスで感染する可能性もあります。
また、妊娠している女性が感染した場合、その赤ちゃんも感染したり(先天梅毒)、流産や死産の可能性があるため注意が必要です。
進行すると死ぬって本当? 「どんな症状がでるの?」
梅毒に感染し治療を行わないと、段階的に病気は進行します。
症状が出なかったり、治ったように見える事もあるので注意が必要です。
梅毒はどうやって予防する?
他のSTDと同じく 「性行為の際にコンドームを正しく使用すること」が大切です。
しかし、前段落でもご説明したとおり、梅毒は性器以外の病変部に触れることでも、感染の可能性があります。
コンドームをしていても100%予防できるわけではありません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
まず大切なのは、自分やパートナーの性器やその周辺の状態を確認する意識をもち、発疹やイボなど症状が出ている場合は触れないようにすることも必要です。
梅毒の検査と治療について
梅毒は死に至る病気ではなくなりましたが、早く感染が分かれば、症状は軽くすみ、回復も早くなります。
おかしいな? と感じた場合は、早めに病院や保健所で相談しましょう。
症状がなくて病院へ行きにくい、他の性感染症とまとめて検査を受けたいという方には、STDチェッカーでも検査が可能です。
梅毒の病変部分があると、その部分からHIVなどにも感染しやすくなるため、HIV/エイズ検査をあわせて受けることをおすすめしています。
「梅毒」を特別な病気だと思っていませんでしたか?
クラミジアや他のSTDと同じく、予防をしない性行為があった時は、誰でも感染の可能性があります。
検査を受ける事が、自分はもちろん、パートナーの健康のためにも大切です。
梅毒を含む代表的なSTDを、まとめて一度に検査したい方へ。ブライダルチェックやお付き合いされる方がかわるタイミングで。ぜひおすすめです。 【項目】 クラミジア、淋菌 HIV(エイズ)・梅毒・B型肝炎 クラミジア(のど)、淋菌(のど) |