川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
●そもそも、おりものって何でしょうか?
腟や子宮の入り口部分からの分泌液のことです。雑菌が腟内に入るのを防ぎ、古くなった細胞などを体外に出す役割をしています。腟の自浄作用のために大切なものです。
●おりものは健康のしるし? 病気のサイン?
おりものは、生理の周期によって、その様子に一定の変化があります。
通常、排卵期は量が増え、次第に少なくなり、生理後にまた増え始めます。これらの変化には個人差があるものの、女性としては当たり前のことです。
しかし、おりものが今までに見たことない色であったり、急に量が増えたり、ひどく臭うようなことがあれば注意が必要です。クラミジアや淋病などのSTD(性感染症) 感染や、場合によってはその他の疾患(ポリープやがん)などの可能性もあります。
おりものの変化を起こす、代表的な性感染症
病名 | おりものの変化(※) | 病原菌 |
---|---|---|
性器クラミジア感染症 | 薄い黄色〜緑色 増加することがある |
クラミジア・トラコマティス |
淋菌感染症 | 薄い黄色〜緑色 増加することがある |
淋菌 |
腟トリコモナス症 | 泡状・悪臭 増加することがある |
トリコモナス原虫 |
性器カンジダ症 | 白色・ヨーグルト状 増加することがある |
カンジダ菌 |
さらに、普段腟の中にいるような菌が原因で、おりものが変化することは多くあります。
このケースにあたる代表的な感染症が、「性器カンジダ症」です。 この名前聞いた事ありませんか?
「普段から腟の中に菌がいるの?」 と不思議に思う方もいらっしゃるでしょうか?
しかし、「性器カンジダ症」の原因であるカンジダ菌はカビの一種で、もともと腟内にいることが多い菌です。
睡眠不足やストレス、飲酒などで免疫力が低下したり、抗生剤の服用などがきっかけで、腟内の環境に変化があり、カンジダ菌が増えることがあります。その結果、腟や外陰部にかゆみがおきたり、ヨーグルト状のおりものが増えるといった症状が出ます。性器カンジダはパートナーから感染することもありますが、体調によって症状が出ることがあるため、他のSTDとは少し性質の違うものとなります。
症状が軽い場合は、腟の中の自浄作用によって、特別な治療を行わなくても元に戻ることもあります。しかし、症状が重い場合、続く場合には、婦人科を受診してご相談されることをおすすめしています。
また、予防するには、免疫力の低下を防ぐための健康的な生活を心がけることや、常在菌のバランスを崩さないために腟内を洗いすぎないこと、通気性の良い下着をつけることなどが大切です。
おりものは体の状態を教えてくれる「健康のバロメーター」です。
自分の体調を意識しながら、おりものの状態を観察することで、STDや婦人科系の疾患の早期発見・早期治療にもつながりますので、ぜひおすすめいたします。
郵送検査キット 「STDチェッカー」 でもカンジダ菌の検査を行うことができます(女性のみの検査です)
(注) 明らかに、おりものが変!臭う、かゆい! といった症状のある方は、検査キットのご利用ではなく、早めの婦人科の受診をおすすめしています。
おりものが増えたりいつもと違った感じがする、 ご不安な方はまずこの検査がおすすめ。綿棒でこするだけで簡単に検査できます。 【腟】 クラミジア、淋菌、トリコモナス、カンジダ |