川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
「この症状、STD (性感染症)かも・・・」 と心配な気持ちで、このサイトをご覧になっている方も多いのではないでしょうか。
一口に 「STD (性感染症)」 といっても、病気の種類や症状は様々です。
自覚症状を感じにくいケースもありますが、性行為を行った後、男性の気になる症状として多いのが、おしっこをするときの痛みやかゆみ、尿道からうみが出る、といった 「尿道炎」 の症状です。尿道に菌やウイルスなどが感染し、炎症を起こすとそのような症状が出ます。
性行為をきっかけに症状が出る尿道炎の中で有名なのは 「淋菌」 や 「クラミジア」 が原因となるものです。
しかし、尿道炎の原因菌はこれだけではなく、他にもたくさんあるのです。
淋菌 | 38.6% |
クラミジア | 39.0% |
マイコプラズマ | 9.1% |
ウレアプラズマ | 13.1% |
インフルエンザ | 3.6% |
上記の表にあるように、「淋菌やクラミジア以外」 が原因となる尿道炎は、「淋菌やクラミジアのどちらでもない」 という意味で、「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」 と呼びます。
ブドウ球菌やインフルエンザ菌、またオーラルセックスが一般的になるにつれて口の中にいる菌など、さまざまな微生物が尿道炎に関与していることがわかっています。
特に 「マイコプラズマ」 と 「ウレアプラズマ」 が 「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」 の原因として注目されています。
では、感染した場合の症状は? 気になるところですね。
まだ不明な点も多いのですが、マイコプラズマ・ウレアプラズマが原因の尿道炎になった場合、一般的にその症状は、クラミジアと似ていて軽い、と言われています。尿道から出るうみは少量の場合が多く、白っぽい色で(やや黄色気味の場合もあります)、サラサラしたものから粘り気のあるものまで見られます。自覚症状がない場合もあります。
淋菌 | クラミジア |
マイコプラズマ ウレアプラズマ |
|
---|---|---|---|
症状が出るまで | 3〜7日 | 1〜3週間 | 1〜5週間 |
発症の程度 | 急激 | 比較的ゆるやか | 比較的ゆるやか |
症状 | 強い排尿痛 | 排尿時に軽い痛み 尿道のかゆみや不快感 |
排尿時に軽い痛み 尿道のかゆみや不快感 |
尿道からの 分泌液(うみ) |
粘り気が強い 中等量 |
さらさら〜ねばねば 少量〜中等量 |
さらさら〜ねばねば 少量 |
淋菌やクラミジアは保険診療の範囲で検査ができ、それらに適した治療を行うことができます。
一方、これら以外の菌やウイルスについては広範囲に及ぶため、原因菌を特定しないで治療を行う場合がほとんどです。
しかし、ここ近年、なかなか治らない尿道炎や再発する尿道炎は、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染の可能性が高いことが日本性感染症学会などで指摘されています。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査は、まだ現時点の制度では保険適用されませんが、非クラミジア性非淋菌性尿道炎の患者さんの約2割からこれらの菌が検出されるとも言われており、尿道炎の効果的な治療を行うためには大切な検査だと認識されはじめています。
尿道炎を引き起こすマイコプラズマ・ウレアプラズマの感染経路は、クラミジアや淋菌と同じです。
なんだか心配になってきた・・・という方は、弊社が提供している郵送検査キット、STDチェッカーでの検査が可能です。
(参考) この段落で出てきたSTD(性感染症)について詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。 | |
STDチェッカーで調べることができるのは、男性の尿道炎の原因になるとされる、
以下のマイコプラズマ・ウレアプラズマ 4種類です。
Mycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ジェニタリウム) |
Mycoplasma hominis (マイコプラズマ・ホミニス) |
Ureaplasma urealyticum(ウレアプラズマ・ウレアリチカム) |
Ureaplasma parvum(ウレアプラズマ・パルバム) |
※ちなみに、よく耳にする「マイコプラズマ肺炎」の原因は
Mycoplasma pneumoniae (マイコプラズマ・ニューモニエ)と呼ばれるもので、別のものとなります。
前の段落でもお伝えしたとおり、尿道炎に対する治療薬は原因菌によって違うため、原因菌を特定することは治療の効果が上がるというメリットがあります。
STD研究所では、特に尿道炎が気になる方や、漠然と不安があって徹底的に調べたい方向けの 「オプション項目」 としてマイコプラズマ・ウレアプラズマ検査をご提供しています。
男性のみ対象の検査となり、尿をとって送っていただくだけで、感染しているかどうかが分かります。
もしこれらが陽性であった場合に、パートナーの女性への影響や、オーラルセックスによるのどへの感染がご心配な場合は、性感染症の診療に積極的な医療機関などで医師にご相談ください。
STD(性感染症)は特別な病気ではありません。
普段からオーラルセックスも含め、あらゆる性行為でコンドームを利用する習慣を身につけるなど、より安全な性行為を心がけましょう。あなた自身と大切なパートナーのために、ぜひSTDについて正しい知識をもってください。