川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
「○○の行為ではどんなSTD (性感染症)になりますか」といった質問がSTD研究所にはよくよせられます。
不安なことがあっても周りの人に聞きにくいのがSTDではないでしょうか。
みなさんが気になるSTDの感染の仕組みについてまずご説明します。
そもそもSTDは、それらの病原菌などを持った人と性行為を行なうことにより感染する病気のことを言います。
○ HIVやクラミジア、B型肝炎は・・・
コンドームを付けずに行うあらゆる性行為(セックス・アナルセックス・オーラルセックス)により感染の可能性があります。血液・精液・膣分泌液などに病原菌が存在していた場合、それが粘膜や傷口から血液内に入って感染します。ご存知ない方も多いですが、コンドーム無しのオーラルセックスによって、のどにクラミジアなどが感染することもあります。
○ ヘルペスや尖圭コンジローマは・・・
ウイルスや菌が多く存在する場所(患部など)が性器粘膜などに触れ合うだけで感染する可能性があります。これらは、広い範囲に症状が出ている場合もあり、コンドームの使用だけでは完全な予防はできません。
STDは特別な病気ではなく、予防しなければ1回のセックスであっても感染の可能性があります。
特に症状が出にくいHIVやクラミジアは、感染に気づかず、知らない間にパートナーにうつしてしまうことも多いのです。
もちろん、自分自身の健康も著しく損なわせることになります。
どんな行為で何に感染するの?もっと詳しく知りたい!という方は、 STDデータベース(したコト検索)からご覧下さい。 |
「性行為は特定の人と行い、必ずコンドームを着用して・・・」分かってはいたけれど、予防できなかった・・・そんなときはどうしたらよいのでしょうか?
明らかに感染している自覚症状がある場合は、なるべく早く医療機関へ行きましょう。
パートナーの感染率も高いので、2人同時の検査や治療が必要です。
病気の種類や治療法により異なりますが、最初の診察料は3,000円〜5,000円くらい、検査代は1,500円〜10,000円、薬代は3,000円〜です。これは保険適用でない場合のおよその金額ですが、保険適用の場合は上記金額の3割負担となります。
治療が必要な場合に保険のきかない性感染症はありませんが、単なる感染不安で複数項目の検査を受ける場合などは保険がきかない場合もあります。医療機関の診療・治療方針により様々ですので、支払金額が気になる場合は、受診前に医療機関へご確認されることをおすすめいたします。
代表的な受診科 | |
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男性の場合 | 泌尿器科、性病科 など |
女性の場合 | 婦人科(産婦人科)、性病科 など |
ブツブツやイボイボ | 皮膚科 など |
のどへの感染の場合 | 耳鼻咽喉科※治療に対応していない耳鼻咽喉科もあります |
前段落でも述べたようにSTDは、症状が出ていなくても感染していれば、他人にうつしてしまったり、体をむしばんでいくものが多くあります。不安な行為があった場合は、症状が無くとも早く対処することが重要です。
忙しくて病院や保健所に行けない方や、対面での検査はできれば避けたい・・・という方におすすめです。 郵送検査キット「STDチェッカー」は
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治療方法は、病気の種類や程度などによりさまざまです。簡単にですが、以下に紹介します。
○ クラミジア・淋菌・梅毒など、菌などを原因とするSTDの治療は、初期であれば内服薬等で簡単に短期間で治りますが、病気が進行したり、全身的に広がると治療は難しくなってきます。
○ 尖圭コンジローマは、軟膏を塗布する治療や、外科的治療などを行ないます。外科的治療は、電気メス、炭酸ガスレーザーによる焼却、液体窒素による凍結療法などでイボを切除しますが、イボを切除しても次々と新しいイボが出てくることがありますので、治療が終わっても最低3ヶ月は様子を見る必要があります。
○ 性器ヘルペスの場合は抗ウイルス剤を内服することで、症状は治まります。しかし、病変部分が治ってもウイルスを完全に排除することはできず、再発することが非常に多くなっています。再発しないために過労やストレスなどがないようにすることが大切です。
○ HIV感染症は、治療法が進歩しており、早期発見して適切な治療を行なえばコントロール可能な病気になってきています。 (詳しくは、STDデータベース HIV感染症/エイズ をご覧下さい。)
多くのSTDは治療薬も進歩しており、早期発見・早期治療さえできれば怖い病気ではないものが多いと言えるでしょう。
ただし、治療の際に、自分の判断で薬を飲むのをやめたり、インターネットで販売している薬を購入することは、完全に治せないばかりか、病気を悪化させる原因にもなりかねます。かならず、医師の診断に従いましょう。
何より大切なのは、普段からコンドームを利用する習慣をつけるなど、より安全な性行為を心がけることです。
不安な行為があった場合は、悩んでいるよりもまずは検査を受けましょう。あなた自身と大切なパートナーのためにぜひ
STDについて正しい知識をもってください。