川崎市衛生検査所登録
第291号
STD研究所
エニーラボラトリー
STD研究所へのアクセスキーワードの中でも、絶えず上位にあがる「クラミジア」。
日本国内での感染者数はおよそ100万人と推計されており、もっとも感染者が多い性感染症です。
なぜ感染が広がってしまったのでしょうか?感染に気がつかずにいるとどうなるのでしょう?
今月は、ぜひ知っておきたいクラミジアについての特集です。
クラミジアは男女ともに、もっとも多い感染症とされ、特に10代から20代の若い世代に感染が広がっています。
厚生労働省の研究班が行なった、高校生1〜3年生の約5,700人を対象に行った大規模な調査結果では、性経験者のうち男性は6.7%、女性では13.1%、全体では10.6%がクラミジア陽性との報告が出ています。つまり、性経験のある女子高生では約8人に1人が感染している、との結果になっているのです。
特に女性の場合は、感染しても症状(おりものの増加や痛みなど)を自覚しにくい病気です。自分が感染していることに気づかないまま、パートナーへ感染を広げてしまう人も多いと考えられています。
また、最近は、のどへのクラミジア感染が問題となっています。
女性が男性に対してフェラチオをした場合では、クラミジアが「男性の性器→女性ののどに感染する可能性」と
「女性ののど→男性の性器に感染する可能性」があります。のどへの感染も、症状は出ないことが多いため、感染に気づかずに、さらに別のパートナーにうつしてしまうこともあります。
性感染症というと特別な病気のイメージをもっている方もいらっしゃいますが、 普通のカップルの間でもクラミジアの感染は広がっています。
(参考リンク) 性器クラミジア感染症について
クラミジアの原因であるクラミジアトラコマティスという病原体は、感染者の精液や腟分泌液、粘膜に存在しているため、
コンドームを付けない性行為(オーラルセックスを含む)によってパートナーに感染します。
女性の場合、クラミジアは膣と子宮を結ぶ子宮頸管という子宮の入口部分に感染します。
感染に気づかないでいると、1〜3週間で子宮頸管炎をおこし、速やかに子宮を経ておなかの中に感染が広がります。そして、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎、肝周囲炎などにつながることがあります。
おりものの増加や不正出血、下腹部痛などの症状がありますが、大半の人は症状を自覚しないまま病気が進行してしまうことが多いと言われています。よって、激しいおなかの痛みを感じて病院へ行き、はじめてクラミジアの感染に気がつくという場合もあります。
▼ クラミジアの感染に気がつかないでいると、知らないうちに症状が進行します
感染が早くわかれば服薬治療ですぐに対処できるクラミジアですが、女性が長期に感染し続けた場合などは、卵管炎をおこして不妊症になる可能性があり、特に大きな影響を及ぼします。
クラミジアの影響が卵管に及ぶことにより、卵管の細胞が損傷したり癒着がおこったりします。卵管内にうみなどが溜まることもあります。卵管が狭くなることにより受精卵の輸送が阻害されてしまい、最悪の場合は卵管が閉じて妊娠が不可能ということになります。
卵管に異常を示す不妊症患者のクラミジアの抗体保有率は、卵管に異常を認めない不妊症患者のクラミジア抗体保有率に比べると高くなっているとの報告もあり、クラミジアは不妊症との関連性が高いと考えられています。
(ちなみに、妊娠した女性には母子感染を防ぐため、妊婦検診としてクラミジアの検査が行われています。)
今、一番心配されることは、クラミジアは特に10〜20代の若い世代で感染が広がっていることです。知らない間に感染し気がつかないまま体を蝕んでしまうため、早期発見・早期治療ができずに不妊症の方が増加してしまうことが、医療関係者の間でも懸念されています。
また、クラミジアに感染していると子宮頸管などが炎症をおこしているため、そこからHIV(エイズウイルス)に感染する確率が3〜5倍になると言われています。
クラミジアは、婦人科(男性の場合は泌尿器科)で診てもらうことができます。
感染しないようにするには、普段からコンドームを利用するなど予防を行うことが大切ですが、予防ができなかった時は、ぜひ検査を受けられることをおすすめいたします。
症状が出にくいクラミジア。
病院へ行きにくい方や、忙しくて病院に行く時間がない方は、
郵送検査キット「性病検査STDチェッカー」 でも検査できます。 ご自身で採取して、結果はネットで確認します。
感染の可能性があってから2〜3日たっていれば検査できます。 腟分泌液を採取するだけで検査できます。 STDチェッカー タイプG(女性用) 【項目】 クラミジア |
感染の可能性があってから2〜3日たっていれば検査できます。 「のど」への感染も一緒にまとめて調べます。 STDチェッカー タイプP(女性用) 【項目】 クラミジア、淋菌、クラミジア(のど)、淋菌(のど) |